筋ジストロフィーの歌手・小澤綾子、多様性の世の中を「当たり前にしていきたい」

スポーツ報知  
2019年3月10日


 難病「筋ジストロフィー」を抱える車椅子の歌手・小澤綾子(35)が

10日、都内で「夢コンサート 希望の虹CD発売記念コンサート」を開催した。  


 バリアフリーの会場には、全国各地から聴覚障害

脳性麻痺などの生きづらさを抱える人はもちろん、

日本テレビ系ニュース番組「news zero」で特集された

小澤を応援しようと老若男女さまざまな違いを持った人が大集合。


 前売り券は完売、超満員となる400人以上が詰めかけ、

小澤の難病にもめげない前向きな言葉と、優しい歌声に涙した。

BEYOND GIRLSの(左から)梅津絵里、小澤綾子、中嶋涼子


 小澤は

「こんなにたくさんの人が来てくれると思わなかった。車椅子の人も見たことがないくらい来て下さって、うれしかったです。障害のある人もない人も一堂に、同じ世の中にいるというのが実現できた気がしました。でもこれ(多様性)を特別な環境ではなく、当たり前にしていきたい」

と笑顔を見せた。 


 各マスコミが取材に訪れたコンサートには、

小澤が率いる車椅子チャレンジユニット「BEYOND GIRLS(ビヨンド・ガールズ)」

も参加した。


 ビヨンドガールズは、リーダー・小澤、NHK・Eテレの番組に

レギュラー出演している中嶋涼子(32、横断性脊髄炎)と

梅津絵里(41、SLE:全身性エリテマトーデス)

による3人組。


 「違いを楽しもう」を合言葉に、これまでの車椅子ユーザーの

イメージを打ち壊そうと日々活躍している。


 今回のコンサートでは代表曲「BEYOND EVERYTHING」

などで満員の会場を盛り上げた。 


 3人は「勢いを付けて、全国ツアーやNHK紅白歌合戦に出演したい」とアピール。

「東京パラリンピック2020にも、障害当事者としてかかわらせて頂きたいです」

と希望した。

(松岡 岳大)


 ◆小澤 綾子(おざわ・あやこ)、1984年10月15日千葉・君津市生まれ、35歳。明大卒。既婚。20歳のときに進行性の難病「筋ジストロフィー」と診断される。10年後には車椅子、その先は寝たきりと医師から告げられ、人生のどん底に落ちる。しかし、元気でいられる時間が限られているなら、今を全力で楽しく生きていこうと決め、「筋ジスと闘い歌う」ことを掲げて活動。イベント・学校・病院・老人ホームなどで講演やライブを行い、病気・障がいの認知活動を行っている。普段は日本IBM次世代育成推進部門に勤務し、ダイバーシティー研修や人材教育などを担当している。著書に「10年前の君へ 筋ジストロフィーと生きる」(すーべにあ文庫)。




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