スポーツ 地域の絆 世代超え海守る

大分合同新聞
2019/03/06


 ミライデザイン宣言ハピカム第4回「スポーツは地域を沸かす」

(2月2日開催)では、県内の若手・中堅リーダーが

地域を元気にするスポーツの力を語り合った。


 「する、みる、ささえる」と言われるように、スポーツは多くの人が

それぞれの形で関わることができる。

 出演者らの活動を追い、携わる人たちの思いをリポートする。

日本デフビーチバレーボール協会のスポンサーであるリッコー大分工場(国東市)の社員も加わり、会場準備をする牛尾洋人さん(左から3人目)ら=2月、別府市の餅ケ浜海浜公園


地域リポート(1)

 大分がデフビーチバレーボールの聖地になろうとしている。

日本デフビーチバレーボール協会理事長の牛尾洋人さん(44)は

昨年10月、国内初の国際親善大会を開催。


 その後も大分でデフ(聴覚障害者)スポーツや

ビーチスポーツの普及を進めている。


 大分ライフセービングクラブ理事長の尾田智史さん(42)

とは大会を通して知り合った。


 互いに「海の魅力を広めたい」と意気投合。

力を合わせ、3月24日には別府市の餅ケ浜海浜公園で

「ビーチスポーツフェスタ2019」を開く。


 多くの人にビーチバレーボールやビーチラグビーなど

ビーチスポーツに親しんでもらうことが目的だ。


 2000年のオープン当初から田ノ浦ビーチを拠点に活動している

尾田さんは「子どもたちの海離れが進んでいる」と感じている。


 「海岸は清掃など人の手を入れることで維持できる。次世代へと伝え、地域資源の保全につなげたい」

と意義を説く。


 ヨガを担当する首藤よしひろさん(54)は

「海を好きになればごみを拾う人になる」と話す。

「スポーツをする人は強くて優しいでしょ」と笑った。 


 世代を超えた“同志”も少しずつ増えてきた。

フェスタに向け、2月下旬、牛尾さんは学生らを誘い、餅ケ浜海浜公園を清掃した。

学生は別府、大分両大の手話サークルのメンバーら。


 大会にボランティア参加して以来、一緒に活動する機会が増えたという。

ビーチフェスタも声を掛け合って、仲間を募っている。 

聴覚障害のある子どもも参加したサッカー教室。阿比留花音さん(右から2人目)ら大学生も加わった


 大分大2年の阿比留花音(かのん)さん(20)は同22日、

県立聾(ろう)学校であった聴覚障害のある子どもたちの

サッカー教室に参加した。


 教室は、やはり大会で出会った薬師寺淳子さん(49)

らが毎月1回開いている。


 しっぽ取りゲームやドリブルでのリレーで、

障害のある子もない子も大人も一緒に体を動かした。


 大分市下郡小5年の沢田勇心君(11)は

「毎回違う人が来てくれてうれしい」と笑顔。


 阿比留さんは「障害の有無は関係なくみんなで楽しめました」。

次回も参加するつもりだ。


  ハピカムで牛尾さんが掲げたミライ宣言は

「手話であふれる街 大分」。


「手話で大事なのは目と目を見ること」という。

目を見つめ、心が通じ合った絆が明るい未来を照らす。



(メモ)

 デフビーチバレーボールは聴覚障害者スポーツの国際大会「デフリンピック」の公式種目で、ルールやコートの広さは健常者と同じ。一般社団法人日本デフビーチバレーボール協会は2017年9月、大分市に設立。今年8月に同市で第2回国際親善大会を計画している。




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