手で伝える思いと技 耳の日

読売新聞オンライン
2019.3.5


「耳の日」の3日、大阪府を拠点に活動する聴覚障害者のマジシャン、
ミスターかわづさん(本名・川津将憲さん)による講演会が、
さいたま市浦和区仲町の県民健康センターで行われた。


スカーフから花を出現させるマジックを披露するかわづさん(3日、さいたま市浦和区で)


  県などが主催し、約190人が参加。

かわづさんが手話で講演し、手話通訳が口頭で来場者に伝えた。


  かわづさんは、大分県出身で、1歳の時に聴力を失った。

地元の特別支援学校を卒業後、大阪府に引っ越し、

大工や写植デザインの仕事をしていたが、友人の披露した

たばこを消すマジックを見て衝撃を受け、マジシャンを目指した。


  熱心に先輩マジシャンの手の動きを見て、技術を体得。

現在は全国各地でショーを披露し、ロシアやフィリピンなど海外でも活躍してきた。


「夢を追う人は輝いている。やりたいと思ったときがチャンス」

と話した。


  講演会の後はマジックショーを開催。

かわづさんが、赤いスカーフから花を次々と出現させたり、

空の木箱からだるまを取り出したりすると、会場から拍手が起こった。 


 桶川市の無職毛塚綾子さん(65)は

「すごくおもしろかった。耳が聞こえなくても、素晴らしいマジックをしていた」

と話した。




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