日刊ゲンダイDIGITAL 2019/02/20
耳が聞こえない女の子と友達になるために、
近所に住む多くの住民が手話を習い始めた。
そんな米国の小さな町が話題になっている。
CBSニュース(2月16日付電子版)などによると、
この町はマサチューセッツ州のニュートン。
ここに住む2歳の女の子、サマンサ・サビッツちゃん(写真)は
人懐っこい性格で、散歩の途中などで近所の人に出会うと必ず駆け寄って、
手話で話しかけ、友達になろうとする。
(BS系KLR10ニュースのユーチューブから)
しかし手話ができない人たちは、どう反応したらいいのか分からない。
ニコニコ笑いながら一生懸命、自分と仲良くなろうとする
サマンサちゃんに会うたびに、住民の間に
「何とか意思疎通ができるようになりたい!」
という気持ちが高まっていった。
「どう返事をしたらいいのか分からないんだ。あの子と話をしたいと思わないか?」
「基本的な会話だけでもできたらなあ…」
住民たちの間でそんな会話が交わされ、町内で話し合いが持たれた結果、
何とインストラクターを雇い、手話教室が開かれることになった。
インストラクターのリース・マクガバーンさんは
「耳の聞こえない子供の両親ですら手話を習おうとしない人がたくさんいるのに!」
と驚きを隠さない。
「でもここでは、町のみんなが手話を習い、サマンサや彼女の家族とコミュニケートしているんですからね。素晴らしい話です!」
町の人たちの暖かい歩み寄りに、サマンサちゃんの両親も深く心を動かされた。
母親のグレンダさんは「驚くほど素晴らしいことです」。
父親のラファエルさんも「私たちは本当に恵まれている」と語った。
手話のレッスンが終わるころ、いつもサマンサちゃんがやって来る。
レッスンに通う1人はこう語った。
「サマンサが教室で私たちに最初に手話で伝えた言葉は『ともだち』でした。
あの子の様子を見たら、心が溶けてしまいますよ」
優しい町だ。
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