愛媛新聞ONLINE 2019年2月18日
豪雨被災地の西予慰問も
児童と笑顔で相撲を取る玉鷲関(右)=18日午後、松山市馬木町
大相撲初場所で初優勝した関脇玉鷲関が18日、
師匠の片男波親方(元関脇玉春日、愛媛県西予市出身)とともに来県し、
各地で優勝報告を行い県民と交流を深めた。
片男波親方の出身地で、大相撲の力士を招待する「乙亥大相撲」
で玉鷲関も何度も訪れている西予市野村地域では、西日本豪雨の
応急仮設住宅や乙亥会館で被災者を元気づけた。
仮設住宅では、住民や近くの仮設野村保育所の園児らが「おめでとう」と出迎えた。
玉鷲関は色紙や服にもサインし笑顔で記念撮影。
乙亥大相撲の会場で被災した乙亥会館で優勝報告会を開催し、
親方と一緒に優勝時の緊張や喜びの気持ちを披露した。
男性(84)は
「多くの人に助けてもらい力になる。これを契機に野村からまた強い力士が出てきてくれたら」
と期待。女性(72)は
「片男波親方にとって一番の弟弟子で、ずっと応援してきた。一回り大きくなって貫禄が出た」
と成長に目を細めた。
中村時広知事を抱え上げた玉鷲関(左)と片男波親方=18日午後、県庁
乙亥大相撲を主催する市観光協会野村支部の祝勝会には、
相撲に取り組む子どもも含め約180人が出席。
玉鷲関は
「豪雨のことを知った時は心が痛み心配だった。皆さんつらい思いをしたのに
明るく迎えてもらい、ホッとするとともにすごいと思う。元気と勇気をいただき、
この期待に応えられるよう頑張りたい」
と気持ちを新たにしていた。
片男波親方が2005、06年に訪問したことをきっかけに
交流を続けている松山聾学校(松山市馬木町)では、
在校生ら約70人と触れ合った。
児童らとの相撲対決では、玉鷲関が数人がかりで土俵際に
押し込もうとする児童をどっしりと受け止めるなど、熱戦を繰り広げて大盛り上がり。
来校記念として菊間瓦を使った手形も作成した。
玉鷲関と対戦した小学部5年の男子児童(11)は
「押しても押しても動かなかった。来場所でまた優勝してください」
とエールを送っていた。
松山市一番町3丁目のホテルであった「囲む会」には、
県内の相撲関係者やファンら約80人が出席。
応急仮設住宅でサインに応じる玉鷲関。間近にして涙ぐむ人も
=18日午後、西予市野村町野村
参加者は記念撮影やサインを求めて列をなし、2人は満面の笑みで応じていた。
玉鷲関に抱き上げられた松前町筒井の男の子(3)は
「だっこしてもらってうれしかった」と笑みを浮かべた。
片男波親方と玉鷲関は「奉納いしづち泣き相撲」で
縁のある西条市の石鎚神社を訪れたほか、県庁で中村時広知事と懇談した。
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