毎日新聞 2019年1月21日
障害のある人や高齢者らの水泳を手助けする
NPO法人「プール・ボランティア」(PV、大阪市中央区)は、
援助や配慮が必要だと周囲に知らせる「ヘルプマーク」をプリントした
スイムキャップを考案し、昨年秋から無料で配布している。
ヘルプマーク・スイムキャップは配慮の目印になる
=大阪市内のプールで2018年12月27日午後4時24分、大島秀利撮影
全国から注文が相次ぎ、最初に用意した100枚は早々に品切れに。
増産した約300枚の配布を始めており、寄付やスポンサーも求めている。
ヘルプマーク・スイムキャップは配慮の目印になる
=大阪市内のプールで2018年12月27日午後4時21分、大島秀利撮影
PVは1999年5月に発足。全盲の人に水泳を教えていた際、周囲に知らせるため
キャップに「全盲」と書くことを検討したが、「露骨で、おしゃれでない」
と断念した経緯があった。
数年前から、赤地に十字とハートが白抜きで描かれた
ヘルプマークが普及し始めたのに注目。
昨年8月、マークを考案した東京都福祉保健局に許可を受け、
白い「ヘルプマーク・スイムキャップ」を作り始めた。
昨年9月からフェイスブックなどで無償配布を知らせると、北海道から沖縄まで、
ダウン症などの子供をプールで遊ばせようとする父母や、
聴覚障害のスイマーらから「こんなものを求めていました」
「緊急時に手助けをしてもらえる目印になるので安心して泳げます」
などと評判になり、たちまち在庫がなくなった。
PV事務局長の織田智子さんは
「外見からは障害や病気は分からないが、誰もが声をかけ、
みんながプールで楽しめる世の中になってほしい」と願う。
2020年東京五輪・パラリンピックを前に、スポーツの
裾野を広げる取り組みにもなりそうだ。
問い合わせは、PV(06・4794・8299)。【大島秀利】
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