北國新聞 2019/01/06
金沢21世紀美術館は「誰にとっても来館しやすい美術館」をテーマに、
子どもや高齢者、身体障害者らを含む一般の市民が、芸術文化に親しむ機会を
増やす活動を進める。
27日には第1弾として、ろう者、手話の担い手や美術館ボランティアに
携わる団体が協力し、映画上映会(北國新聞社後援)を初めて開く。
多彩な立場の人が来館する機会をつくり、
互いを理解し共に活動する場を創出する。
皮切りの企画として、映画「リッスン」の上映会を開く。
全編無音で「ろう者にとっての音楽」を身体で表現したアートドキュメンタリー作品となり、
ろう者、聴者に関わらず楽しめる。
監督で、自身もろう者の牧原依里さんを招いたトークイベントも開く。
5日は同美術館で運営メンバーが顔合わせし、上映会に向けて話し合った。
当日は手話や要約筆記サークルのメンバーが協力するほか、ろう者、聴者を含む
10団体約20人が会議を重ねていく。
上映会について話し合う運営メンバー=金沢21世紀美術館
トーク会では、県立ろう学校高等部3年の武藤亜紀穂さん、専攻科2年の
山田茉弥さんが司会を担当する。
武藤さんは「音がなくても、人はつながれるということを伝えたい」と笑顔を見せた。
2020年東京五輪・パラリンピック開催を前に、人種や性別、障害の
有無に関わらない文化交流や、アートの持つ社会参加の機会を開く力などが注目される。
身体障害者に限らず、移住者や外国人、不登校の子どもなど幅広い人に、
これまで以上に来館の機会を提供したい考えで、
落合博晃広報室長は
「活動が契機となり、立場の違う人同士が展覧会を一緒に楽しむなど、
新しい活動を生む場をつくりたい」と話した。
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