山陽新聞デジタル(さんデジ) 2018年12月25日
白熱した試合を見せたろう者サッカー日本女子代表候補選手(水色)
聴覚に障害のある人たちが行う「ろう者(デフ)サッカー」の
女子日本代表候補が22~24日、美作市入田の美作ラグビー・サッカー場で
強化合宿を行った。
普段見るサッカーとほとんど同じルールだが、最大の違いは
ピッチから選手の声が聞こえないこと。
だが、静かな中にも2020年のデフサッカーW杯に向けた熱い気持ちと、
目と目で通じ合う選手の絆がスタンドにも伝わり魅力的だった。
練習試合の様子をリポートする。
ろう者サッカーは基本は健常者と同じルールで、主審は笛とフラッグの
両方を使い、選手に反則などを知らせる。
選手は補聴器を外し、手話やアイコンタクトなどでコミュニケーションを
図ることから「音のないサッカー」とも呼ばれる。
今回の合宿には10~30代の選手15人とスタッフ10人が参加。
スキルアップと選手間の意思疎通の向上などが目的で、24日は
吉備国際大シャルムのU―15(15歳以下)と練習試合をした。
代表候補選手はジェスチャーでパスコースを指示したり、プレーが切れると、
手話で意見を交わしたりしていた。
大学の体育会チームに所属してプレーする選手もいるほどで、華麗なパス回しや
鋭いドリブルを披露した。
試合では、シャルムの選手も会話禁止。
ピッチからはボールを蹴る音と選手の息遣いだけが聞こえていた。
試合は2―1でシャルムが勝利した。
ゲームキャプテンの川畑菜奈選手(28)は
「合宿ではプレスを強くかけ、コンパクトに守ることを意識した。聞こえない分、
常に周りを見ないといけないので、ボールウオッチャーにならないように
するのがチームの課題」
と話し「W杯で勝てるようにしっかり準備したい」と意気込んでいた。
同代表候補は16年から3年続けて美作市で合宿している。
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