ゴルフニュース|GDO ゴルフダイジェスト・オンライン 2018/07/30
「ポルシェ ヨーロピアンオープン」
難聴のアマチュアが欧州ツアーで1打差2位
◇欧州男子◇ポルシェヨーロピアンオープン 最終日(29日)
◇グリーンイーグルスGC(ドイツ)
◇7583yd(パー72)
ドライビングレンジで、彼は誰よりも静かにプレーオフを待っていた。
最終組でプレーしたリチャード・マケボイ(イングランド)が最終18番でバーディを決め
1打差で競り勝った「ポルシェヨーロピアンオープン」。
先にホールアウトし、クラブハウスリーダーとして待っていた3人の
うちのひとり、アレン・ヨーン(ドイツ)は難聴を抱えるアマチュアゴルファーだ。
2018年 ポルシェ ヨーロピアンオープン 最終日 アレン・ヨーン
地元ドイツのアマチュア、アレン・ヨーンが2位フィニッシュ
2歳のころから聴覚が劣っていたヨーンは現在、障がいがない人の
5%ほどしか聞こえない。ただし、10歳で始めたゴルフの腕は折り紙付き。
米国のジョージア州立大を経て2009年に一度はプロ転向。
その道は険しく、16年にアマチュアに戻った後、昨年の
デフリンピック(ろう者ゴルファーの世界大会)で金メダルを獲得した。
欧州ツアーには2年前のこの大会以来の出場だった。
普段はトレーニング器具などのセールスマンとして働きながら
所属するドイツ南西部バーデン・ヴュルテンベルク州のコースで腕を磨く。
両耳に補聴器をつけ、相手の言葉を読み取るために口や表情の動きを注視する。
キャディとのコミュニケーションも同様。ショットのときは手に残る感触で
弾道が分かるという。 最終日はフィールドでベストスコアとなる「67」をマーク。
アマチュアのため約15万ユーロの賞金は手にすることができなかったが、
「一緒に18ホールをたくさんの人が歩いてくれて、すごい雰囲気だった。
最高の気分だった」と感無量の表情を見せた。
ハンディキャップは「僕の一部だと考えている」という30歳。
「欧州ツアーの大会だから、もちろんものすごい自信になる」。
もう一度プロの道を志す道もある。
(ドイツ・ヴィンゼン/桂川洋一)
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