毎日新聞 2018年6月24日
陸上 日本選手権(24日)
湯上62m16…日本新
日本選手権・男子円盤投げ
男子円盤投げで日本記録を塗り替えた湯上は、先天性の難聴で両耳がほとんど聞こえない。
スタンドの大声援も届かないが、自身に送られる拍手を見て「めちゃくちゃうれしい」
と気持ち良さそうに両腕を突き上げた。
男子円盤投げで日本記録を3度更新して優勝した湯上剛輝
=山口市の維新みらいふスタジアムで2018年6月24日、宮間俊樹撮影
これまでの自己記録は59メートル30。
だが、力んでファウルになった6投目を除き、5投すべてが自己記録を超え
3投目からは3連続で日本記録を更新する圧巻の内容を見せた。
滋賀県出身の25歳。小学6年の時に左耳に人工内耳を埋めた。
目や口を見て会話すると理解できるが「電話はできない」。
球技をやりたかったが、危険性を考えて選んだのが陸上だった。
中学では短距離を経験し、高校から円盤を握った。
今大会に向けては、背中や尻の筋肉を鍛えたことで
昨季から体重が3キロ増の107キロに。
円盤を振り切る力が上昇し、大舞台での躍進につながった。
記録更新にもさらなる先を見据え
「世界との差がある。もっと精進したい」と笑顔がはじけた。
【長宗拓弥】
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