神戸新聞NEXT
2019/3/22
旧優生保護法(1948~96年)下での不妊手術は違憲として、聴覚障害のある兵庫県内の夫婦2組が、国に計4400万円の損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が22日、神戸地裁であった。法廷では原告で県内の80代男性が「子どもを産むか産まないかは自分が決めたい。国が決めるのはおかしい」と手話で訴え、国による謝罪を求めた。
法廷で意見陳述後、報告集会に参加して手話で心境を語る80代男性=22日午後、神戸市中央区楠通1、兵庫県弁護士会館
男性は幼少期に病気で難聴となった。現在70代の妻と婚約後、20代で不妊手術を余儀なくされた。「妻と子どもがいる楽しい生活がしたかった」と振り返り「悔しい、苦しい、寂しい」と訴えた。
第1回口頭弁論では、山口浩司裁判長が国に対し、旧法の憲法適合性を「正面から議論するべき」と立証を促した。しかしこの日、国は「憲法適合性を主張立証する必要性はない」としたため、原告側は姿勢を明らかにするよう反論した。
原告の夫婦2組で、手術を受けたのはいずれも1人。今国会で成立予定の救済法案は、一時金の支給対象を手術された本人に限るため、弁護団は「配偶者も人生を損なわれた」と批判している。神戸地裁では12歳で手術を受けた脳性まひのある鈴木由美さん(63)=神戸市=も提訴。弁護団は審理の併合を求めている。
原告らを支援する「優生保護法による被害者とともに歩む兵庫の会」が22日、結成された。入会の問い合わせは、同会(兵庫障害者センター内)TEL078・341・9544。ファクス078・341・9545
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