Techinsight
2019.03.10
スマートフォンの普及に伴いヘッドフォンやイヤホンの
使用率が高くなっている昨今、イヤホンをしたまま音楽などを
聴き眠ってしまう若者たちの間で、翌朝に耳が
聞こえなくなるという症状が頻繁に起こっているようだ。
このことに対して台湾の医師が警告を発している。
台湾メディア『爆新聞』をはじめ『Oddity Central』などが伝えた。
イヤホンをしたまま眠ってしまうと…(画像は『Oddity Central 2019年3月7日付「Man Falls Asleep Listening to Music with Earbuds On, Wakes Up Deaf in One Ear」(Photo: Pixabay.com)』のスクリーンショット)
「イヤホンで音楽を聴きながら眠ってしまう人が、翌朝になると耳が聞こえなくなっているという症状に見舞われるケースが多く報告されている。」
そう話すのは、台湾・台中市にある亜州大学附属病院耳鼻咽喉科のTian Huiji医師だ。
スマホに接続したヘッドフォンやイヤホンを使用する人の姿を
頻繁に見かけるが、彼らはヘッドフォンやイヤホンを使って音楽を聴いたり、
電話で会話をしたり、また学習のために随時装着している人もいる。
中には潜在意識的に外国語を学ぶため、イヤホンから流れ出る音を
聞きながら眠る人もいるようだ。
睡眠学習については科学的証拠があげられていないが、脳が睡眠中でも
音を知覚することができることから、睡眠中の学習が
可能と信じている人も多いと医師は言う。
しかしヘッドフォンやイヤホンを使用して睡眠中に
音を聞き続けることはあまり良い結果にはならないとして、
同医師は実際に起こった例を挙げた。
Tian医師によると、大学2年になる男子学生が片耳が聞こえないと来院してきたという。
その学生は就寝前にイヤホンで音楽を聴く習慣があったが、
ある日イヤホンを耳にしたまま眠ってしまった。
すると翌朝、片耳が聞こえなくなっていたそうだ。
学生は就寝中に片耳からイヤホンが外れてしまっていたため、
イヤホンをしたままになっていたもう片方の耳だけが影響を受け、
難聴になっていたということだ。
学生は5日間入院したが、徐々に難聴は回復したと医師は述べている。
こういったケースがあることから、
医師は
「似たような症状を抱えている人は、永久的ダメージを避けるためにもすぐに医師の診察を受けるように」
とアドバイスし、ヘッドフォンやイヤホンの使用は大音量を控えるようにと警告している。
更に医師は
「こうした聴覚障害を患うことなく毎日、日中何時間もイヤホンやヘッドフォンを使用している人は、同じ行為を睡眠中にすると危険が増す」
と語る。
睡眠中は血流が滞るため、体内は十分な血液を供給することができない。
そのためイヤホンで大音量を聞き続けて耳の有毛細胞が刺激され続けると突然、
耳が聞こえなくなる(=難聴になる)という事態に陥ってしまうとのことだ。
最後に同医師は
「パット付きヘッドフォンとイヤーフック型ヘッドフォンは音の一部を消散させることができるためまだ安全ですが、イヤホンは耳の外へ音を漏らすことがなくヘッドフォンと比べて危険です。基本的にどんなタイプのイヤホンでも睡眠中の使用は良くないですし、起きている時でも50分ごとの使用で耳を10分休憩させるようにしてください」
とアドバイスしている。
画像は『Oddity Central 2019年3月7日付「Man Falls Asleep Listening to Music with Earbuds On, Wakes Up Deaf in One Ear」(Photo: Pixabay.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
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