SankeiBiz
2019.3.5
インドネシアの聴覚障害者の若者3人が開業したカフェが評判を呼んでいる。
大学卒業後、就職活動をするも200社に落ちた悔しさをばねに創業。
健常者に手話を教える交流の場となり
「聴覚障害者雇用の受け皿にしたい」と夢は膨らむ。
ジャカルタ南部にあるカフェ「コプトゥル」。
店内に入ると創業者の一人、アディカさんが笑顔で迎えてくれた。
チョコレートやアボカドなどさまざまな風味のコーヒーが並ぶ。
カップには、アルファベットをインドネシア語の手話で
どう表現するかのイラストが描かれている。
「店員に言えば誰でも教えてもらえ、友達もできます」
昨年5月、ジャカルタ近郊の西ジャワ州に初出店。
すぐに話題を呼んで支援者が現れ、同10月にはジャカルタで2店目も開店。
店員計5人は全員聴覚障害者を雇った。
大学でデザインやコミュニケーションを学んだアディカさんは
2016年に卒業後、約200社に応募したが全て不採用となった。
「悲しくて悔しくて落ち込んだ。この200社に聴覚障害者でも
ちゃんと仕事ができることを見せたい」
と語る。
カフェ「コプトゥル」でコーヒーをいれるプトリさん=2018年12月、ジャカルタ(共同)
同じ学科で学び、同様に就職に失敗し悩んでいたプトリさんに
共同事業を持ちかけ、アディカさんがコーヒー好きだったことからカフェを起業。
2人の幼なじみのエルウィンさんも加わった。
年5%前後の経済成長を続けるインドネシアは昨年10月、
ジャカルタでアジアパラ大会を初開催したが、歩道整備や
手すりの設置など障害者のための社会基盤整備はまだまだ不十分。
カフェは、コーヒー事業を通して聴覚障害者の仲間に
活力を与える目標を掲げる。
プトリさんは
「将来は国外にも出店したい」
と展望を語った。
(ジャカルタ 共同)
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