中日新聞(CHUNICHI Web)
2019年3月3日
手話を交えて誓いの言葉を述べる新成人=松本市のなんなんひろばで
聴覚障害のある新成人を祝う「手話で祝う はたちの集い」が二日、
松本市芳野のなんなんひろばであり、県内出身の十人が出席した。
市聴覚障害者協会などでつくる実行委員会が開き、三回目。
同協会によると、一般の成人式は地元ごとに開かれるため、
地元以外のろう学校に通った新成人にとっては、
出席しにくいと感じることもある。
この現状を何とかしたいと三年前、聴覚障害のある当事者たちが企画して始まった。
式典では、市ノ瀬昌志さん(21)=長野市出身、
相沢真衣さん(20)=安曇野市出身=が
「聞こえないことに誇りを持ち、仲間や先輩とともによりよい社会をつくることを誓います」
と、手話を交えて誓いの言葉を述べた。
松本ろう学校の桑島亜紀教諭ら恩師二人も駆けつけ、
お祝いの言葉を贈った。
市ノ瀬さんは、筑波技術大(茨城県つくば市)に在学中で、
地元の成人式には都合がつかず、出席できなかった。
「久しぶりに友人や先生に会えてうれしかった」
と話し、恩師や友人との再会を喜んだ。
(中津芳子)
読売新聞オンライン
2019.3.3
手話で誓いのことばを述べた「新成人」(2日、松本市で)
成人式手話で祝う 聴覚障害者ら 「たくましく」決意新た
聴覚障害者を対象とした成人式「手話で祝うはたちの集い」が2日、
松本市の社会教育複合施設「なんなんひろば」で行われた。
県内各地から振り袖やスーツなどに身を包んだ若者10人が参加し、
家族や恩師らとともに新たな門出を祝った。
式は、一般的な成人式が地域ごとに行われ、広域から集まる
特別支援学校の卒業生にとっては知り合いが少ないなど、
参加しにくい状況もあるために企画されたもの。
同市聴覚障害者協会の主催で2015年から隔年実施され、
今回が3回目。3月3日の「耳の日」にちなみ、毎回3月上旬に開催されている。
今年は、県出身か在住の1997年4月~99年3月生まれが対象。
各地から集まった「新成人」は、手話を用いて誓いの言葉を述べたり、
クイズを行ったりして、親交を深めた。
あいさつに立った県聴覚障害者協会の井出万成理事長(72)は
「音声の情報があふれる社会で必要な情報を選びとり、自分らしく生きてほしい。声をあげなければ社会は変わらない。ろう者として頑張ってください」
と激励した。
実行委員兼司会を務めた諏訪市の青木良仁さん(20)は
「今まで温かく見守ってくれた家族や友人、先生に感謝している。これからも障害に負けずたくましく生きていくので、見ていてほしい」
と、決意を新たにしていた。
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