読売新聞オンライン
2019.2.28
手織り工房、地震備え
盲ろう者が集まる和歌山市の手織り工房で27日、
大地震を想定した避難訓練が行われた。
築約60年の建物は半壊、火事の恐れがあるといい、
盲ろう者3人は介助者と一緒に徒歩や車いすで避難した。
はって避難する参加者ら(和歌山市で)
工房を運営するNPO法人和歌山盲ろう者友の会が、初めて行った。
同会には県内24人の盲ろう者が登録。事務局も兼ねた工房には週3回、
盲ろう者4、5人が通っているという。
この日は、介助者が参加者の体を揺らし、地震を表現。
揺れが収まると、手に触れた状態で手話をする「触手話」などにも
助けられながら、ヘルメットをかぶって壁伝いにはいながら建物の外へ。
介助者に支えられながら歩いた森本悦一さん(74)は
「本当に大変だった」と振り返った。
同会理事長の小杉純弘さん(63)は
「私たち盲ろう者は、テレビや新聞で情報を得られず避難が遅くなる可能性もある。手で触りながらはって逃げるなど、今日の体験を仲間と共有したい」
と話した。
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