朝日新聞デジタル
2019年2月26日
日常使いができ、テレビを見る際はワイヤレスで音をつなぐことができる補聴器「G4」(パナソニック補聴器提供)
「目に見えない障害」といわれる聴覚障害。
国内には補聴器を使う人が200万人ほどいるとされる。
近年はおしゃれなものが増え、若者を中心に、
補聴器を見せることに抵抗が少なくなりつつある。
でも、思わぬトラブルに巻き込まれることも。
小林さんが着けている補聴器は、青を基調としたデザインだ
岐阜県の小林ののかさん(19)は生まれつき、ほとんど耳が聞こえない。
寝る時以外は両耳に補聴器を着けているが、街中の雑踏や
騒がしい屋内では聞き取ることが難しい。
そんな時は、相手の口の動きを読み取りながら会話している。
昨春に愛知県の大学に進学し、電車で通うようになって間もなくの頃。
満員電車の中で立っていた小林さんは、駅に停車した時に突然、
後ろから耳を強く引っ張られた。
驚いて振り向くと、顔を紅潮させた中年男性が目の前にいた。
雑音が多い満員電車内で、声はほとんど聞き取れなかったが、
口の動きと表情から、「音楽聴いてんじゃねえよ!」
と怒鳴られていることはわかった。
男性は電車を降りていったが、小林さんは胸の動悸(どうき)が止まらなかった。
引っ張られた補聴器は、マイク部分が耳から外れていた。
補聴器のマイク部分は青色と水…・・・
赤やピンクなど9色が選べるリオネットシリーズの補聴器=リオン提供
若者向けのカラフルな補聴器=ソノヴァ・ジャパン提供
全難聴が販売している「耳マーク」のストラップ。裏に「耳が不自由です」と説明が書かれている
全難聴が販売している「耳マーク」の裏面。「耳が不自由です」と書かれている
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