徳島県人主演映画 地元で11日初上映 性的少数のろう者に理解を

徳島新聞  2019/2/1


映画「虹色の朝が来るまで」の一場面。右が長井さん((C)2018 JSLTime)


 徳島市出身の長井恵里さん(22)=埼玉県川口市、会社員=

が主人公役を務めた映画「虹色の朝が来るまで」(63分)が11日、

徳島市のふれあい健康館で県内で初めて上映される。


 耳の不自由な性的少数者(LGBTQ)が抱える苦悩をテーマにした作品。

自身もろう者の長井さんは

「少数者への理解が深まるきっかけになれば」

と来場を呼び掛けている。  


  手話サークルで出会った女性と恋に落ちた主人公が、

周囲の偏見に悩みながら自分の居場所を見いだしていくストーリー。


 昨年7月に公開。

東京や福岡、香港など国内外の映画祭で上映されている。


  ろう者で性的少数者の今井ミカ監督(30)が

「同じような悩みを抱える人たちの心の支えになるような作品を」

と企画。


 これまではろう者向けの無音映画を制作してきたが、健常者にも

この問題を考えてもらおうと、初めて音響や音楽を取り入れた。


  長井さんは徳島県立ろう学校(現・徳島聴覚支援学校)を経て

香川県内の大学を卒業後、都内のIT企業で働いている。

 大学3年生だった16年、ろう者向けのインターネット配信番組に

出演したことがきっかけで今井監督の目に留まり、出演を依頼された。 


 撮影や役作りを通じ、相手の性にとらわれずに人としての魅力に

目を向けるべきだと考えるようになったという長井さん。

「性的少数者の気持ちを少しでも理解すれば、世界はもっと優しくなれる。

観客に新しい気付きや発見があればうれしい」

と話している。 


 上映は午後2時半から。

無料。定員200人で、整理券が必要。

同1時半から今井監督や長井さんらを招いたトークショーがある。

問い合わせは県聴覚障害者福祉協会 <電088(631)1666>。




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