yomiDr.(ヨミドクター) 2019年1月29日
松田賢一撮影
山梨県中央市で開いている卓球教室には、3歳から80歳代までの
約100人が通っています。
発達障害や聴覚障害などがある選手も10人ほどいます。
障害のある人と社会をつなげるかけ橋になりたいです。
障害のある人と最初に向き合ったのは、教員として最初に赴任し
た静岡県の特別支援学校でした。
自力で生活することが難しい生徒と関わる中で、表現方法が異なるだけで、
同じように何かを感じ、伝えようとしていることを知りました。
私が通っていた小中学校にも障害のある子はいましたが、どう接してよいか分からず、
関わりを避けてきてしまったため、
「人生の半分を損した」と感じるほど、充実した日々でした。
(卓球女子選手の)美宇(18)の妹で、三女の亜子(14)が3歳の時に、
発達障害と診断されました。
対人関係を築くのが苦手といった特徴がありますが、特別支援学校の経験から、
障害を個性として認め、良いところを伸ばす教育をしようと思うことができました。
服を脱ぐ、掛けるなどの生活の細かい指示を表にして、出来たことを
褒めることを繰り返しました。
小学生の卓球の国際大会に、日本代表として出場することができました。
卓球教室では、それぞれの障害に合わせて、図や映像を使って
分かりやすく説明したり、正面でゆっくりと指示したりしています。
他の生徒には、障害のことは特に説明しませんが、私の接し方をまねて
対応してくれています。
障害がある人とない人が一緒に過ごすことで、無関心が生む見えない壁を
なくすことができると思います。
教室では、東京パラリンピックへの出場を目指す選手の指導もしています。
パラリンピックは健常者にとって、別世界の話と思われがちですが、
一緒に過ごし、対戦したことのある選手が出場していたら、応援したくなると思います。
パラリンピックを身近に感じられるよう、
障害のある選手とつながる機会をつくっていきたいです。
◇ ひらの・まりこ
1969年生まれ。静岡県出身。中学の部活動で卓球を始めた。教師を経て、現在は山梨県で平野卓球センターを運営する。卓球の女子ワールドカップ(W杯)で、2016年に16歳で史上最年少の優勝者となった長女の平野美宇選手ら3姉妹の母。
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