毎日新聞 2019年1月17日
身に着けて使う情報機器「ウエアラブル端末」の関連製品や技術を集めた
世界最大級の展示会「第5回ウエアラブルEXPO(エキスポ)」が、
東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれている。
首にかける端末から映画のシーンに応じた香りを出す製品や、
帽子タイプの音楽スピーカー、パソコンの画面などを映し出せる
極小スクリーンが付いたメガネ型製品など、ユニークな製品が展示されている。
首にかけた端末から映画のシーンに応じた香りを出し、新しい鑑賞体験を提供する=東京都江東区の東京ビッグサイトで2019年1月16日、今村茜撮影
中国・深センの企業「スーカオリ」が紹介するのは、首にかけるタイプのスピーカーを
利用した新しい映画鑑賞のスタイルだ。
スピーカーに香りのカプセルを内蔵し、12の穴から香りを放出する。
主人公がアイスクリームを食べればアイスの香りが、
コーヒーを飲めばコーヒーの香りが流れるといった具合だ。
映画の臨場感が高まり、中国の約50の映画館で実証実験中だという。
韓国・ソウルの企業「ソジンFNI」は、近距離無線通信「ブルートゥース」
を埋め込んだ帽子型のスピーカーを展示。
日本でも販売しており、ジョギング時などに人気だという。
ランニング時などに人気だという帽子型スピーカー
=東京都江東区の東京ビッグサイトで、今村茜撮影
メガネスーパーなどを展開するビジョナリーホールディングス子会社の
エンハンラボは、極小スクリーンを付属したメガネ型ウエアラブル端末を紹介。
スクリーンにパソコン画面などを映し出すことができ、医療現場や
工場などでマニュアルを見ながら作業ができるほか、
聴覚障害者が演劇を見る際に、字幕を表示することなどができる。
極小スクリーンが付き、通常の視界を維持しながら動画などを確認できるメガネ型製品
=東京都江東区の東京ビッグサイトで、今村茜撮影
展示会は業者向けで、170団体・企業が出展し、
18日までに12万5000人の来場者を見込む。
【今村茜】
ウエアラブル端末
身に着けられるサイズやデザインにしたIT機器やコンピューターのこと。腕時計型やメガネ型、首から下げるペンダント型、体の状態を検出できる素材で作られた衣類など、さまざまな形がある。ウエアラブル端末市場の成長率は年10%を超えており、世界の出荷台数は2018年の約1・2億台から22年には約1・9億台に増加すると見込まれている(IDC調べ)。 ウエアラブル端末に特化した展示会は世界でも少なく、日本で開催される展示会にはアジアを中心に世界中から出展者や来場者が集まる。ウエアラブルEXPOを主催するリード・エグジビション・ジャパンは「日本に売り込むというより、世界に売り込む場となっている」と話す。
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