脳梗塞後の「感謝」描く

YOMIURI ONLINE  2019年01月18日


たけさん、講演500回 下京で記念展

展示会場で著書の購入者とふれあうたけさん(下京区で)


「ありがとう」の力伝える

 脳梗塞こうそくの後遺症を抱えながら、

画家として活動するたけ(本名・河村武明)さん(51)(長岡京市)

の講演会が500回を達成したのを記念し、高島屋京都店(下京区)6階で

作品や著書を販売する記念展が開かれている。

22日まで。

(中田智香子)


 たけさんはプロを目指してバンド活動をしていた2001年、34歳の時に脳梗塞を発症。

失語症で話せなくなり、聴覚障害、利き手である右手のまひなど重い後遺症が残った。


 音楽はあきらめなくてはいけなかったが、以前見たことのある映画で

半身不随になった登場人物が絵を描いていたことを思いだし、左手で絵を描き始めた。 


 講演は、路上で絵を販売していた頃、中学教諭の知人からの依頼がきっかけで始めた。

原稿を代読してもらいながら、身ぶり手ぶりも交え、感謝の気持ちを持つ

大切さや言葉の力を伝える。


 昨年11月に、岡山市の中学で目標としていた500回を14年かけて達成した。


 13日に同店で開いた達成記念講演会では、100人ほどの聴衆を前に、

「何があっても『ありがとう』を言い続けたら全て好転できる」

と妻・育子さん(38)がたけさんの言葉を代読した。


 展示会場には、絵に感謝の言葉が添えられた作品や、カレンダーなどの

グッズが並び、たけさんが著書の購入者らと筆談で

コミュニケーションを取りながらサインをした。


  昨年3月にたけさんの話を聞いて以来、個展などに足を運んでいるという

西京区、学校職員藤林幸次さん(60)は

「たけさんの言う通り、苦しいときにも『ありがとう』を忘れないことで

気分が前向きになれる」と話していた。




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