震災教訓にSNS活用 迅速な安否確認可能に

佐賀新聞LiVE  1/13


熊本市動植物園職員が講演


 2016年4月の熊本地震で被災し、昨年12月に全面開園した

熊本市動植物園の獣医師松本充史さんが10日、

佐賀市の県聴覚障害者サポートセンターで講演した。

熊本地震で被災し、昨年末に全面再開した熊本市動植物園の体験談を語る獣医師の松本さん=佐賀市の県聴覚障害者サポートセンター


 SNSを活用して安否確認できるよう体制を整えたことや、災害を経て

動物園の存在意義を改めて考えたことなど、体験談を語った。 


 震災後、電話回線が不通状態となり、代わってSNSが活躍したことを紹介。

この時の教訓を生かし、震災後は職員でSNSを共有した。


 今年1月3日に熊本県で最大震度6弱の地震が発生した際は、無料通信アプリ

「LINE」を事前に準備していたことで、

「職員約20人の安否が20分程度で確認できた」と説明し、緊急時での活用を勧めた。


  一方、SNSではデマも広がり、「動物園からライオンが逃げた」という

趣旨のメッセージが拡散した。


「避難者は外にライオンがいるかもしれないという恐怖を覚えた。園には200件以上の

電話による問い合わせがあった」。

 情報の打ち消しに労力を費やした体験も語った。 


 動植物園は17年2月に一部再開し、18年12月22日に全面開園した。

震災で、支援を受けた他の動物園との連携が強くなり、動物園の

存在意義を見つめ直す機会になったといい、

「ただの娯楽施設ではなく、楽しい中に自然や野生への入り口になるような場所にしたい」

と話した。


 講演会は県聴覚障害者サポートセンターが主催し、県、市町の

障害福祉担当職員ら約20人が出席した。




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