Techinsight 2019.01.13
英国では、路線バスや電車など公共の交通機関で介助犬を伴うことが
法的に認められている。しかし中には介助犬や盲導犬などの働きを理解できず、
障害を抱える人を非難する言葉を浴びせたりする人もいるようだ。
このほどマージーサイド州のある女性が、バス内で見知らぬ女性から
驚くべき言葉を投げかけられた。
『Liverpool Echo』『Mirror』などが伝えている。
バス内で見知らぬ乗客に罵られた女性(画像は『Mirror 2019年1月10日付「Blind woman told to ‘get her f*****g dog off bus’ by furious passenger」』のスクリーンショット)
マージーサイド州セント・へレンズに住むメーガン・テイラーさん(22歳)は
1月7日、地元の路線バスに乗った時に女性客から思いもよらぬ言葉を投げかけられた。
15歳の時に事故が原因で大怪我をしたメーガンさんは、頭蓋骨に複数の
骨折を負ったほか、事故後も聴覚障害やバランス障害、頻繁な失神発作、
眩暈や一時的に目が見えなくなる視覚障害など様々な医学的問題を抱えるようになった。
いつ何時でも予告なしに突然視覚が失われてしまうことは恐怖でしかなく、
見えている時でも眩暈がすると物にぶつかったり躓いたりすることもよくあるという。
そんな状態で日常を過ごさなければならないメーガンさんにとって、盲導犬や
介助犬は必要不可欠な存在だ。
ところがバスの中で、その女性客はメーガンさんが連れた
黒色のラブラドールの介助犬ローリー(2歳)を見て
「なんで犬がバスに乗ってるのよ。降ろしなさいよ」と叫びだした。
メーガンさんは、犬は介助犬であることを丁寧に説明しようとしたが、
女性は「そんなはずないわ。盲導犬っていうのは普通ベージュのラブラドールじゃないの。
これは黒でしょう。嘘つき!」と言い放ったのだ。
盲導犬や介助犬はどんな色でもあり得ること、ローリーはラブラドールだが
必ずしもラブラドールというわけではないこともメーガンさんは説明しようとした。
しかし女性は聞く耳持たずに「あんたが間違っている」と反論。
この時点でメーガンさんは何を言っても無駄だと悟り、女性の理不尽な攻撃を
無視することにしたという。
女性はその後もメーガンさんを非難する言葉を浴びせていたようだが、ローリーの
おかげでメーガンさんは気持ちを落ち着けることができたと話している。
「公共の場で、こういうことが起こったのはこれが初めてではありません。正直、交通機関を
使うのが不安になることもあります。バランス感覚と予測できない失神発作から、バスや
電車内で立ったままでは危険なので優先座席に座らせてほしいと頼んでも、私は
障害者に見えず、拒否されたこともありした。医療警告カードを見せて介助犬を指さしても、
笑われて否定されることだってあるし、唾を吐きかけられたり行く手を遮られて
押されたこともありました。心疾患と神経障害のために意識を失いかけた時にも、酔っ払いの
若者と非難されたこともあったぐらいです。」
メーガンさんにとってローリーは、2頭目の介助犬となる。
1頭目のルビーは襲われてリタイアを余儀なくされたそうだ。
ルビーに代わり、ローリーは着替えを手伝ってくれたり靴紐をほどいたり
してくれる以外にも、落とした物を拾ったり洗濯機の中から洗い物を取り出したり
もしてくれるそうだ。
また、メーガンさんが意識を失った時には、電話を操作して助けを求めることもできるという。
障害を抱える人にとっては、こうした介助犬の日々のサポートは
必要不可欠なものであり、メーガンさんは今一度、世間に介助犬への理解を呼びかけている。
「介助犬には様々な犬種がいて大きさも異なります。ですが全ての介助犬は、多岐にわたり
障害を抱える人のサポートをするよう訓練されていて、障害者の自立を促してくれて
自信を与えてくれる助けになる存在です。介助犬は、車椅子や杖、眼鏡などと同じように
重要な補助器具の役割を果たしてくれる大切な存在で、公共の場では障害者との同行が法的に
認められているのです。」
メーガンさんは
「今までにもいろんな嫌な経験をしたけれど、ほとんどの人は親切に接してくれる。
障害を恥だとは思っていないので、負けません。これからもポジティブに頑張っていきます」
と語っている。
このニュースを知った人からは、
「こういう非常識な女こそ次のバス停で降ろして警察に通報すべきだったのかもね。こんなことをいう人がいるなんて…世の中も悲しいね」
「自分が目を閉じて実際に歩いてみたらいい。目が見えないことがどれほど大変かわからないから、こういう酷いことが平気で言えるんだろうな。この女、恥を知るべきだ」
「介助犬についての文句を言うなんて、心無い奴である以上に頭がおかしいとしか思えない」
「黒のラブラドールや黒の盲導犬ってよく見かけるけど? この女、どれほど無知なのよ」
「自分がこのバスに乗ってたら思いっきり女に文句を言ってやるところだ」
「呆れた。介助犬は法的に認められているのに。この女を訴えてやりたいぐらい」
といった声があがっている。
画像は『Mirror 2019年1月10日付「Blind woman told to ‘get her f*****g dog off bus’ by furious passenger」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
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