JTB、経営改革の要は「ダイバーシティ」、全社啓発イベント初開催

トラベルビジョン  2018年12月10日



 JTBグループは12月10日、人材や働き方などの多様性(ダイバーシティ)について、

グループの全社員のさらなる理解や推進をめざすための初めてのイベント

「JTB Diversity Week 2018」を開幕した。

高橋氏


 14日までの5日間にわたり講演や研修、パネルディスカッションなどを開催する。

東京・天王洲の本社内でのイベントは手話つきの映像で配信し、

全社員の意識を啓発する1週間とする。


 同社グループは、12月3日が国際連合の国際障害者デーであることなどを受けて、

2007年から毎年12月の前後に、障害を持つ社員の活躍推進に向けた

「チャレンジドサミット」を開催。


 しかし今回は、各社員の多様性の推進に向けて規模を拡大し、

新たなイベントとして開催したという。


 JTBによれば、日本全国に展開する旅行会社による、

このような取り組みは例がないとのこと。


  10日午前に本社の大ホールで開会を宣言した

JTB代表取締役社長の高橋広行氏(高ははしご高)は、ダイバーシティを

企業文化を中心に据えて多様な価値観を認めることが

「イノベーティブな会社」になることにつながるとの見方を説明。


「最終的には社員の幸せと会社の持続的な成長を両立したい。

ダイバーシティの推進こそが経営計画の成功につながると信じる」

と強調した。


 その後はJTB常務取締役グループカルチャー改革担当の大谷恭久氏と

、JTB執行役員人事部働き方改革・ダイバーシティ推進担当の高崎邦子氏

(高ははしご高、崎のつくりは立に可)、現場のダイバーシティ推進担当者3名

による座談会を実施した。

座談会の様子


 大谷氏は「成長をめざす一方で、我々とお客様の間には大きなギャップがあり、

環境の激変に対する変革も遅れている」と述べるとともに、

社員のさらなる成長のためには「カルチャー改革が不可欠」と主張。


 そのためにダイバーシティ改革、働き方改革、評価・マネジメント改革、

キャリア改革、コミュニケーション改革の5つに注力していることを説明した。


イクメン経験者は1%どまり、社内制度で変更促進へ

 午後の「男性の育休」に関するセッションでは「男性の育休を自分の事として考える」

をテーマに、育休取得のための注意点や、職場および家庭に与えるさまざまなメリット、

育休支援のための社内制度などについて説明。

本社でのイベントは全社に配信

 このうち社内制度については今年4月から、それまでは無休としていた

4日間以内の育休を有給扱いに変更したことを紹介し、積極的な取得を促した。


 JTBによれば、現時点で育休を取得したことがある同社の社員は10名に満たず、

その割合は約1%にとどまる。

 この日のセッションでは実際に育休を取得した経験を持つ社員2名が登壇し、

休職から復職に至るまでの流れや、スムーズに復職できた経験などについて語った。


 この日は、全国の社員から募集した「ダイバーシティ川柳」の優秀作の表彰式も開催。

大賞はJTBコールセンター販売部の三隅菜津喜氏による

「感動が うまれるそばに その個性」受賞した。

表彰式の様子 


 そのほかには「テレワーク 声はよそいき 下パジャマ」「社で課長 家でも家長 できる妻」

などが受賞した。

 「JTB Diversity Week 2018」では、11日以降も「異文化理解」「デジタル活用」

「イクボス」など、さまざまなテーマのセッションを予定。


 そのほか、1962年の米国人宇宙飛行士の地球周回軌道飛行を影で支えた、

NASAの3人の黒人女性スタッフを描いた米国映画「ドリーム」

(原題はHidden Figures)も上映する。





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