Webみんぽう 苫小牧民報 2018/12/1
手話の普及促進へ
言語条例制定に向けフォーラム-恵庭
恵庭市は11月30日、手話言語条例制定に向けたフォーラムを市民会館で開いた。
市障がい者地域自立支援協議会の会員や条例制定に関心を持つ市民ら約70人が参加。
今年3月に手話言語条例を制定した千歳市の事例を学び、現在、
恵庭市でも進んでいる条例制定の動きについて報告を聞いた。
「手話を言語として普及しよう」という全国的な機運の高まりを受け、恵庭市でも
6月に市障がい者地域自立支援協議会の部会の一つとして、市子ども発達支援センター、
市社会福祉協議会、市障がい者総合相談支援センターeふらっと、千歳聴力障害者協会、
そのほか手話や要約筆記などの関連団体の代表者で構成される
手話言語条例制定プロジェクトが発足。
これまでに3回の会議を開き、すでに同様の条例を制定している
道内他自治体の例を参考にしながら条文の内容について検討を進めてきた。
この日のフォーラムでは、同プロジェクトの菅原純部会長が
議論の経過を説明し、現状の条文案を紹介。
個々の文言にメンバーのどのような声が反映されているかを語った。
また、佐藤義典副部会長は、日本の教育現場で手話が否定されてきた過去の歴史と、
自身も経験してきた聴覚障害者の苦労について同時通訳付きの手話で伝えた。
手話言語条例の必要性を手話で伝えた佐藤副部会長
「今年3月にようやく特別支援学校学習指導要領に手話が入った。
これから手話を使った教育が少しずつ始まっていくのはうれしいこと」
と強調しながら、「これまで学校で教えていないから社会に手話が広まっていない。
手話を理解し、言語として認めてほしい。そのために手話言語条例が必要」と訴えた。
講師として招かれた千歳市保健福祉部障がい者支援課の松田和也課長は、
全国で手話言語条例制定の動きが広がっている背景や、
条例が目指す社会の在り方について解説。
同市でどのように条例制定の動きが立ち上がり、どのような議論を経て実現に至ったか、
条文にどのような願いが込められているかを詳細に語った。
恵庭市では今後、来年1月に予定されている市障がい者地域自立支援協議会の
全体会議で同プロジェクトがまとめた条文について審議し、
市に提言書として提出する見通し。
提言書の内容が正式に市の条例の素案として採用されれば、
2019年度内の制定を目指して議論を進めていく。
Webみんぽう 苫小牧民報 2018/12/13
手話言語条例制定プロジェクト
条文案まとめる-恵庭
恵庭市障がい者地域自立支援協議会の手話言語条例制定プロジェクトが
このほど、第4回会議を市役所庁舎内で開いた。
11月30日に行われた手話言語制定に向けたフォーラムの報告と、これまでの
検討のまとめが行われ、同プロジェクトとしての条文案を決定した。
手話言語条例の条文について意見を述べ合ったプロジェクト会議
同プロジェクトは、「手話を言語として普及しよう」という全国的な機運の高まりを受け、
市障がい者地域自立支援協議会の部会の一つとして6月に発足。
市子ども発達支援センター、市社会福祉協議会、市障がい者総合相談支援センターeふらっと、
千歳聴力障害者協会、そのほか手話や要約筆記などの関連団体の代表者で構成されている。
8月の第2回会議で事務局がたたき台となる条文案を提示。
11月の第3回会議では各メンバーがグループワークで条文の文言を吟味し、修正を行った。
それぞれに条例に盛り込みたい思いがあり、意見がまとまり切らなかったため、
部会長、副部会長と事務局に修正案の作成を一任。第4回会議で再び提示した。
事務局は前回会議で上がった意見を修正案の条文にどのように
反映したかを説明し、各メンバーの承認を求めた。
最終的にすべての条文に関して出席メンバー全員の承認を得たため、この修正案を
同プロジェクトからの提案として2月に開かれる同自立支援協議会の総会に提出する。
総会で承認を受ければ、同自立支援協議会からの提言書として市に提出する。
市は提言書の内容が条文の素案としてふさわしいか社会福祉審議会に諮問し、
これが認められれば正式に市の条例の素案として議会に報告し、
条例制定に向けて検討を行う。2019年度内の制定を目指す。
11月30日に開かれたフォーラムは、障害当事者や家族、福祉事業所、
手話サークル、行政関係者など67人が参加し、恵庭市に先んじて
今年3月に手話言語条例を制定した千歳市の事例について学んだ。
また、同プロジェクトが検討中の条文についても解説し、参加者に
アンケートした結果、すべての条文について「理解できた」
という回答が95%以上を占めた。
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