日刊ゲンダイヘルスケア 2018年11月30日
メニエール病は同年代男性の4倍弱、
難聴は1.7倍強
難聴は1.7倍強(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ
かかると面倒なのが耳鼻科系の病気です。
生活の質が低下し、人生が台無しになることすらあります。
中でもメニエール病が最悪です。目まいと耳鳴り、吐き気に襲われ、
重症化すると立ち上がることが困難になります。
長期休業を余儀なくされるので、経済的にも大きな損失を被ることにもなります。
そんなメニエール病が多いのが中高年、しかも女性に偏っています。
厚生労働省の「患者調査(2014年)」によれば、老若男女合わせた患者数は、
全国で約6万8000人。そのうちの約2万2000人が中高年女性(40~64歳)
で占められています。
同世代の男性患者は約6000人でした。
原因は、耳の奥の三半規管。
平衡感覚をつかさどる小器官で、内部がリンパ液で満たされています。
体の傾きに応じてリンパ液が動き、平衡感覚を生み出しているのです。
ところがメニエール病にかかると、リンパ液が増えすぎて(内リンパ水腫)
平衡感覚が狂ってしまうため目まいが生じるのです。
ひどくなるとグルグル回るような目まいが数十分も続くため、
食事が喉を通らなくなってしまいます。
治療には目まいを抑えるクスリ(鎮暈剤)と利尿剤がよく使われます。
吐き気が強い場合は、制吐剤も処方されます。
実は知人の奥さんも、50歳を過ぎた頃にこの病気にかかって同じ処方を受けていました。
制吐剤を飲めば吐き気は抑えられますが、食欲までは戻らないようで、
半年で10キロ以上も痩せたといいます。
それまで勤めていた会社は仕事を続けられず、辞めてしまいました。
その後は元気を取り戻し、いまは目まいの発作は治まっていますが、
いつまた再発するか不安だといいます。
メニエール病ほど深刻ではありませんが、難聴も嫌な病気です。
音は、耳の奥の蝸牛と呼ばれる小器官で感知され、電気信号として脳に伝えられます。
加齢とともに蝸牛の働きが悪くなって、音が聞き取りにくくなるのが「加齢性難聴」です。
患者は60代後半から増えるのですが、中高年女性でも、
約1万6000人の患者がいます(男性は約9000人)。
効果的な治療方法はなく、ひどくなれば補聴器に頼るしかありません。
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