yomiDr. 2018年11月28日
聴覚に障害のある人に何かを伝えたい…
手話ができなくても
コミュニケーションはできます!
ヨミドクターをご覧のみなさま。
サービス介助士インストラクターの冨樫正義です。
今回は聴覚に障害のある方とのコミュニケーション方法です。
手話を使っている人は2割
ニュースやドラマなどで手話を見ることがあります。聴覚に障害がある方との
コミュニケーションといえば、真っ先に手話を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実際、手話は有効な方法ですが、厚生労働省の資料によると、聴覚に障害のある方の
コミュニケーション手段のうち、手話・手話通訳は18.9%でした。
つまり、手話以外でコミュニケーションをとる人のほうが多いのです。
また、聞こえ方も人それぞれで、「音が極端に小さくしか聞こえない方」
「会話は音として耳に入るが、意味のある言葉として聞こえない方」
「全く音が聞こえない方」がいます。
生まれつき障害のある方もいれば、成長の過程で病気や事故により聞こえに
障害が生じた方もいます。
その人の聞こえ方や経験によって、補聴器を使用できるか否かも異なりますし、
主となるコミュニケーション手段も違うのです。
唇や舌の動き、顔の表情から読み取る口話
手話やジェスチャーなどを組み合わせて、コミュニケーションをとりましょう
●手話以外のコミュニケーション手段には、まず口話(読話)があります。
口話は、話し手の唇や舌の動き、顔の表情から話の内容を読み取る方法です。
話し手の注意点は以下です。
・はっきり口を動かし、自然に発声する
・早口や、ゆっくり過ぎる話し方をしない
・一音ずつ区切らず、文節で軽く区切る
●次に筆談があります。
筆談は、紙などに文字を書いてコミュニケーションをとる方法です。
筆談で大切なのは以下のことです。
・必要な情報だけを簡潔に書く
・横書きで読みやすい大きさで書く
・口話ができる場合も、間違って伝わってはいけないことは筆談を用いる
また、直接のコミュニケーション方法ではありませんが、
理解しておきたいのが、補聴器についてです。
補聴器は、外からの音声を大きくして、聞き取れるよう補助する器具です。
ただし、聞きたい音だけではなく、周囲の音まで大きく
してしまうことがあります。
補聴器を使用することで、誰もが同じように聞こえる
わけではないことを理解しましょう。
同時に2人以上の人が話さない
そのほか、ジェスチャーも有効な方法です。
ぜひ試してみてください。
聴覚に障害のある方は、これらの方法を組み合わせながら
コミュニケーションをとっています。
こうしたコミュニケーションを試みる際、おさえておきたいのは
以下の三つのポイントです。
1.【対面する】
口元の動き、表情などで読み取れることがあります。顔と顔を合わせて話しましょう。
2.【明るい場所で】
話すときの表情や書いたものを見てもらうには、その場の明るさや立つ位置などに配慮しましょう。
3.【1対1を心がける】
どちらを見ればよいか分りにくいため、同時に2人以上の人が話をしないようにしましょう。
「伝え合いたい」という気持ちを大切に
最後に、基本的なあいさつの手話についてお伝えします。
円滑な手話はできなくとも、あいさつ程度ならできるという人もいます。
是非覚えてくださいね。
<おはようございますの手話>
①まず、まくらを外し起きる様子を表現
②次に、人さし指で「あいさつ」を表現
お互いに「伝え合いたい」という気持ちを大切に、会話を楽しみましょう!(冨樫正義 サービス介助士インストラクター)
このコラムではサービス介助士の学びから高齢な方や障害のある方のお手伝い方法をお伝えする他、認知症や災害時のお手伝い方法など、これからの生活で身につけていただきたいことをご紹介していきます。
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