北陸中日新聞 2018年11月25日
聴覚障害者の搬送 円滑に
白山野々市広域消防本部
「ボード」使い方体験
白山野々市広域消防本部は二十四日、聴覚に障害のある人が救急搬送される際に、
救命士らとの意思疎通をスムーズにする「コミュニケーションボード」の使用訓練を開いた。
ボードはB4サイズ八枚一組。
病気やけがの状態、症状を表すイラストなどが描かれており、
指をさすことで意思疎通できる。
同本部は五月から、「白山市聴覚障害者と共に歩む会」が
従来のボードを改良したものを使っている。
体験会には、同会の聴覚障害者と救命士ら約七十人が参加。
心臓や脳の病気、腹痛などさまざまなケースを想定してボードを使った。
コミュニケーションボードを使って症状を伝える練習をする参加者(左)=白山市三浦町で
救命士らがボードを見せながら「どこが痛みますか」
「かかりつけの病院はどこですか」と声を掛けると、参加した聴覚障害者は、
イラストを指さしたりペンで書き込んだりして症状を伝える練習をした。
初めてボードを使った同会の西野和弘会長(52)は
「実際に使うと緊張した。搬送された時に冷静に文章が書ける人は少ない。
ボードを使って少しでもスムーズに意思疎通ができれば」
と期待を込めた。
(都沙羅)
0コメント