【マンガ】僕は目で音を聴く(28)

西日本新聞  2018年11月22日


僕は目で音を聴く(28) 

安心を与えてくれる聴導犬

僕は目で音を聴く(28) 安心を与えてくれる聴導犬(平本龍之介)


 読者の皆さんは聴導犬を知っていますか? 聞こえない人のそばにいて、

日常生活に必要な音を教えてくれます。 


 今年4月、久留米市聴覚障害者協会の主催で聴導犬のイベントがあり、参加しました。

私は協会の広報部長でもあるので、カメラマンを務めました。


 社会福祉法人・日本聴導犬協会の方が長野県から聴導犬を2頭、連れて来られました。

 私は接したことがなく漠然としたイメージしかありませんでした。

同4月現在、厚生労働省の調べでは聴導犬は74頭。

ちなみに盲導犬は950頭、介助犬は75頭いるそうです。


  同協会は聴覚障害者に無料で聴導犬を貸与しています。

事前に長野県の本部施設などに2週間、滞在して訓練を受けることが必要です。

運営は寄付金や助成金で賄われているものの、国からの補助金は数%程度で、

あまり知られていないのがネック。

「聴導犬を借りるには70万円もかかる」という、間違ったうわさも流れているそうです。


  イベントではその2頭が、来客があったという想定でドアをたたいたり、

チャイムを鳴らすと飼い主役の人の足に手を置いて教えてくれたり、

目覚まし時計が鳴ると布団の上に乗ったりするところを見せてくれました。


 実際に体験した参加者は躍動する聴導犬にくぎ付けで、最初は驚きつつ、

みるみるうれしそうな表情に変わっていきました。

本当に自分の「耳代わりになってくれる!」と安堵(あんど)感があったのだと思います。  


 東日本大震災では巨大な津波が襲ってきたとき、避難誘導しようとドアをノックする音が

聞こえなかったために犠牲になった方がいます。

もしそばに聴導犬がいたならば…。状況は違っていたでしょう。


 屋外で事故や災害が起こったら聴導犬が目印となり、周囲から

自主的な手助けを受けることもできます。

聴覚障害者にとって貴重なパートナーの存在を知る良い機会でした。


詳しくは

日本聴導犬協会=電話0265(85)4615、

ファクス0265(85)5088=まで。  


(サラリーマン兼漫画家、福岡県久留米市)


◆プロフィール 

本名瀧本大介、ペンネームが平本龍之介。

1980年東京都生まれ。2008年から福岡県久留米市在住。漫画はブログ=https://note.mu/hao2002a/=でも公開中。






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