生きた手話に触れて

神戸新聞NEXT  2018/11/19


生きた手話に触れて 

姫路の喫茶店で定期交流会

山田幸夫さん(左)に手話を習う参加者=姫路市五軒邸4


 兵庫県姫路市五軒邸4の喫茶店「ラーフ・ウッド喫茶すずらん」で

月に1度、聴覚障害者から手話を習ったり、手話で交流したりする会が開かれている。


 生まれて間もなく聴覚を失った店長の野村晴美さん(71)=加古川市=の元に、

聞こえない人が県内外から集まるようになり、聞こえる人との交流が広がった。


 参加する人は「『生きた手話』を学ぶことができる」と親睦を楽しんでいる。


  同店は2016年1月、NPO法人「ラーフ・ウッド福祉会」(姫路市河間町)が開いた。

同福祉会の障害者就労訓練事業所を利用していた野村さんが

「夢だった喫茶店をやってみたい」と申し出たのがきっかけだった。


 開店後、聴覚障害者同士や聞こえる人が交流する場となった。  

交流会は同年6月から始まり、初心者から上級者まで15~20人が集う。


 聞こえる人と聞こえない人が隣り合って座り、上級者が

手話通訳しながら2~3時間ほど雑談する。


 野村さんの友人で、元伊丹ろうあ協会会長の山田幸夫さん(71)

=明石市=が進行役を務める。


  山田さんは「『ありがとう』は相撲の力士が懸賞金を受け取る時に手刀を切る動作に由来する」

「手話にも方言がある」などと説明。


 教わった客の男性(40)は説明に目を丸くして

「いつか市の講座にも通ってみたい」と話した。 


 手話通訳士を目指す女性(26)=姫路市=は「ここではろう者の皆さんも一生懸命

聞こうとしてくれるので、手の動きだけでなく表情や身ぶりにも気合が入る」と話す。


  山田さんは「楽しく会話をしながら、手話やろう文化の理解を深めてもらえれば」

と思いを込める。


  同店の営業は午前8時半~午後3時半。日・月曜休み。

次回の交流会は12月15日午後3時半から。

ラーフ・ウッド福祉会TEL079・283・5222 


 (地道優樹)




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