毎日新聞 2018年11月12日
愛知県長久手市がふるさと納税の活用先の一つを
「市内にある介助犬訓練センターの改修事業」として募ったところ、
この寄付が期限の約2カ月前の9日に目標額を達成した。
従来の市への寄付総額は県内最低水準だったが、担当者は
「目的の明確化が寄付の動機付けにつながったのでは」と話す。
市は寄付金の使途を「総合計画における事業」などとし
返礼品に歴史の劇画本などを贈っていたものの、
寄付総額は2016年度約49万円、17年度約115万円と伸び悩んだ。
介助犬専門の訓練センター「シンシアの丘」=2014年5月、山田泰生撮影
今年度から具体的な事業に寄付を呼びかけることにして、その一つを、
日本介助犬協会(本部・横浜市)の総合訓練センター「シンシアの丘」(長久手市)
の改修事業とした。
すると、9日までに全体で36件約127万円の寄付が集まり、
うち24件約87万円がシンシアの丘宛てで目標に達し、この分は募集を終えた。
返礼は従来の品に加え、シンシアの丘見学に招待する。
シンシアの丘は全国初の介助犬専門訓練施設として09年に開所し
常時25頭を育成しているが、10年目を迎えて不具合も増えた。
今回の寄付金の半額(約44万円)を補助金として受け、母犬が出産時に
使う部屋の防音設備を向上させ、母犬と子犬が安心して暮らせるようにするという。
12日に記者会見した日本介助犬協会の担当者は
「協会運営費の9割は寄付金。単独での施設改修は難しいので大変ありがたい」
と語った。【町田結子】
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