石川県 聴覚障害者の救急 円滑に

北陸中日新聞  2018年10月6日


聴覚障害者の救急 円滑に 

能美市消防 意思疎通ボード使い訓練


 能美市消防本部は五日、救急現場で聴覚障害者との意思疎通を助ける

「コミュニケーション支援ボード」を使った救急対応訓練をした。


  ボードはA4判で、消防隊員用と救急隊員用がある。

公益財団法人「明治安田こころの健康財団」(東京都)が作った。


 市が本年度から手話言語条例を施行したのを受け、

消防本部は消防車やポンプ車計九台にボードを配備した。

聴覚障害者役(左)からコミュニケーション支援ボードを使って症状を聞き出す救急隊員
=能美市消防本部で


  救急隊到着まで手当てする消防隊員用には、表面に「どうしましたか」

という質問と「くるしい」「いたい」といった十種の症状などが

イラストと文字で表示されている。


 日本語のほか、英語や中国語など五カ国語の表記もあり、

外国人も指を差して症状を訴えられる。

裏面には、名前や生年月日、かかりつけの病院などを記す欄がある。


  傷病者の症状から搬送する病院を決める救急隊員用は、消防隊員用をベースに、

症状の程度やそれがいつからなのかの質問などが追加されている。


  訓練は聴覚障害者が急な腹痛を訴えたとの設定で、職員五人が参加した。

救急隊員らは、ボードを指さしながら意思疎通を図り、症状を把握した。 


 警防課の白石貴義さんによると、聴覚障害者との意思疎通には筆談が有効だが、

書いてもらった字が読みにくいケースもある。

「耳の不自由な方は手話を理解してほしいと聞く。ボードは便利だが、

少しでも手話を使えるように勉強したい」と話した。 

(吉野淳一)    



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