大津市 手話言語条例 普及へ弾み

YOMIURI ONLINE  2018年10月05日


◇来年施行 大津市 通訳養成など

 県内の自治体で、手話を言語と位置付け普及を図る「手話言語条例」の制定が進んでいる。

大津市は2日、市議会で条例案を可決。


 近江八幡市や米原市も制定しており、今後も動きは広がりそうだ。

当事者団体は「全県での理解につながれば」と期待している。

(生田ちひろ、田上秀樹)

手話言語条例が制定され、市役所で記念写真に納まる越市長(前列左から5人目)や
市ろうあ福祉協会のメンバーたち(大津市で)


 全日本ろうあ連盟(東京)によると、手話は長らく言語とみなされず、

街頭で使うと不審な目で見られることも多かった。


 だが、2006年に国連採択の障害者権利条約で言語と規定され、

国内でも11年施行の改正障害者基本法で言語と明文化された。

その後、条例を制定する自治体は増え、大津市で191となった。


  大津市では14年から市ろうあ福祉協会の要望を受けて検討を重ねてきた。

条例では手話通訳者の養成など、手話の利用を保障する施策を講じる責任を市が負うと規定した。

また、事業者らは筆談ボードを置くなどろう者が利用しやすい環境整備に努めることも求めた。


  施行は来年1月1日。市障害福祉課は

「子どもの頃から理解を促し、手話の普及に努めたい」としている。


  県内では近江八幡市で初めて17年1月に施行し、米原市が続いた。

このほか、県の障害者施策推進協議会でも福祉関係者らが10日から検討を始める。


  県によると、県内の身体障害者手帳を持つ聴覚障害者は4112人(3月末現在)。

県ろうあ協会によると、うち約400人が手話を利用している。


  石野富志三郎・同協会副会長は「中核市である大津市の制定は意義深い」とした上で、

「職場などで手話を使いづらく苦しんでいる人は依然多い。

条例を弾みに、理解が深まってほしい」と願っている。  

手話フェスタをPRするポスター(米原市で)


 米原市8日フェスタ 4月からの施行半年を記念し、米原市は手話への理解を深める

イベント「手と手をつなぐ まいばら手話フェスタ2018」を8日正午~午後4時、

同市長岡の市民交流プラザ「ルッチプラザ」で開く。


  午後1時45分からは手話や字幕、声で表現する「劇団あしたの会」(京都)が、

手話劇「わかり合えるために」を上演。


 石野副会長が手話言語条例について説明するほか、手話のゲームなどもある。

午後は手話教室などもある。 


参加無料で申し込み不要。

手話通訳と要約筆記もある。

問い合わせは市社会福祉課(0749・55・8102)。 


 2018年10月05日 

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