京都新聞 9月22日
多様な性、見て考えて
関西クィア映画祭開幕、京都は10月
「虹色の朝が来るまで」の1シーン=提供
性をテーマに国内外の作品を集めた「関西クィア映画祭」(実行委主催)が
22日に大阪府豊中市で始まった。
聴覚障害のある性的少数者の作品を特集し、多様な性や少数派の中にもある
差別意識を考えるきっかけを提供する。
京都では10月19~21日に京都大西部講堂(京都市左京区)で開く。
クィアは英語で「変な」を意味し、レズビアンなどを指す「LGBT」に
とどまらないさまざまな性の在り方を表現している。自分らしい性を生きようとの
メッセージの下、12回目の今年は計31作品を紹介する。
「虹色の朝が来るまで」(2018年、日本)は、ろう者の女性同士の恋愛を全編手話で描く。
「11歳の君へ~いろんなカタチの好き~」(17年、同)第1部は、
ろうや難聴の性的少数者の生きざまに迫るドキュメンタリー。
また、慰安婦たちの闘いを描いた「沈黙-立ち上がる慰安婦」(同、日本・韓国)を
京都限定で上映し、民族差別にも向き合う。
大阪会場は9月22~24日、とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ。
詳細は映画祭のホームページで。
■チケット代価格自己申告のパスも
クィア映画祭では、チケット代について通常の料金体系に加え、
購入者が自身の経済状況に応じて価格を選ぶ「サポートパス」を新たに導入する。
サポートパスは大阪か京都いずれかの会場の全作品に有効。
「パスを買うと食費や家賃の支払いに困る」あるいは「月収が10万円以下」の場合は
2千円か4千円で、同様の通常チケット代の半額以下に設定した。
一方、「お金の心配がなく生活できている」人は1万円、
「余暇を楽しむ経済的余裕がある」人などは2万円と高額にした。
価格は購入者が自己申告で決める。
実行委代表のひびのまことさん=左京区=は
「お金がないから映画を見られないというのはおかしい。
出せる人には出してもらい、信頼関係の中で映画祭をつくりたい」と話す。
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