シネマトゥデイ 2018年9月19日
手話を使うスーパーヒーローが誕生!
- 写真は映画『サイン・ジーン 初代ろう者スーパーヒーロー』より
手話を使い超能力を繰り出す、ろう者のスーパーヒーローを描いた
映画『サイン・ジーン 初代ろう者スーパーヒーロー』のジャパンプレミアが14日、
イタリア文化会館で開催され、本作の主演・監督・脚本を務めたエミリオ・インソレラが登壇した。
自身もろう者であるエミリオは、上映前の約20分間にわたり、映画の製作秘話を語った。
本作は、秘密捜査機関のメンバーであり、“サイン・ジーン
(手話を使うことで超能力を発揮する遺伝子)”をもつ主人公トム・クレーク(エミリオ)の
活躍を描くアクション。
劇中では、アメリカ手話、日本手話、イタリア手話と英語、日本語、イタリア語が
用いられており、手話を用いて会話をするキャラクターが多数登場する。
映画には、手話の基本要素やろう者の歴史や文化について
言及するシーンが多数存在する。
「ろう者について学べる場所が限られています」と話すエミリオは、
“映画”を作ることで、それらを学ぶ機会を提供したかったという。
エミリオは「最初は、ドキュメンタリー映画を作ろうと思っていたのですが、
それでは内容が重くなってしまうと思いました」と告白。
そこで、大衆にも人気がある“スーパーヒーロー”という要素を盛り込むことで、
ろう者の歴史や文化を分かりやすく描くことに挑戦したという。
エミリオは「みなさんに楽しんでもらいながら(ろう者について)
勉強して頂けたらと思います」と観客に向けてメッセージを送った。
手話通訳者と共に登壇したエミリオ・インソレラ
彼の言葉通り、映画ではろうコミュニティーの歴史的な人物の紹介や
手話の基本知識についてを、ストーリーの中に違和感なく盛り込んでいる。
また、『X-MEN』などを彷彿させる特殊能力やアクションシーンも随所に登場するので、
ヒーロー映画としても作りこまれた一本となっている。
11月には日本公開も控えている本作。
すでに、アメリカから新作映画の製作オファーをもらっているというエミリオは
「ろう者の活躍についてもっと気づいてもらえるように、
みなさんにも頑張って頂きたいです」
と会場に集まったろう者の方々に呼びかけた。
(編集部・倉本拓弥)
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