東京新聞 2018年8月27日
「福祉避難所」一緒に設営
荒川区で障害者と訓練
災害時に障害者や要介護者を受け入れる「福祉避難所」の開設訓練が26日、
荒川区立障害者福祉会館アクロスあらかわ(荒川2)であり、
地域の障害者や住民も設営などに関わった。
施設を運営する区社会福祉協議会(社協)によると、障害者が避難所設営に
加わるのは珍しい取り組みという。 (中村真暁)
協力してエアマットに空気を入れる視覚障害者や町会メンバーら=荒川区で
アクロスあらかわは、障害者らのサークル活動や会議などに利用されている。
災害時には区の福祉避難所となるが、常駐職員は三、四人と少なく、
地域住民が協力して設営する必要がある。
訓練には地元町会の昭和睦(むつみ)会や障害者のほか、区職員や消防署員ら百人が参加。
震度6弱相当の地震発生を想定し、手伝いにかけつけた同町会メンバーと
避難してきた障害者らが、間仕切りやエアマットを協力して設営した。
より実践に近づけるため、せりふの台本は用意しなかった。
参加者は臨機応変に対応し、聴覚障害者と筆談ボードや身ぶりを交えてやりとりする姿もあった。
同町会は十二年前から、同施設との合同訓練を続けており、安部義治会長(68)は
「職員がいない夜間の災害もある。街をみなで守りたい」と強調。
参加した区視力障害者福祉協会の野田和義会長(68)は
「こういう訓練ができるのも、普段のつながりがあるからで、その大切さを再認識した」と話した。
社協によると、運営する他施設での福祉避難所の開設訓練は、
設営や運営を職員が行ってきた。施設の森田智明館長(43)は
「障害者から手伝いたいと言われることもあった。
訓練では自然と協力し合えており、災害時にも生かせれば」と期待した。
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