京都府向日市は、市役所本庁舎(寺戸町)を訪れた聴覚障害者への対応として、
タブレット端末を利用した遠隔手話通訳サービスを導入した。
手話通訳の資格を持った職員が5月に開設した東向日別館(同)に移ったことによる措置。
窓口業務が複数の庁舎にまたがる自治体は多いが、同様の取り組みは府内では初めてという。
向日市では、東向日別館の開設に伴い、窓口業務のほとんどが同別館に移った一方、
市民税などの申告や相談、防災や教育に関連する業務は引き続き本庁舎で行っている。
手話通訳の資格を持った障がい者支援課の職員計3人は東向日別館へ移ったため、
本庁舎で聴覚障害者への対応が必要となっていた。
遠隔手話通訳サービスでは、無線で接続できるカメラ機能付きタブレット端末を、
本庁舎と東向日別館にそれぞれ配備した。
本庁舎を訪れた聴覚障害者は、端末の画面に
映し出された東向日別館の通訳職員と手話で会話する。
通訳職員は、本庁舎の職員に会話内容を音声で伝え、
本庁舎職員の声を聞き取って手話通訳する。
カメラ機能の付いたタブレット端末に向かって手話で話すと、
東向日別館にいる資格を持った職員が通訳して対応する(向日市寺戸町・市役所本庁舎)
このほど向日市ろうあ協会の会員たちが本庁舎を訪れ、
課税証明の受け取りなどの設定で今回のサービスを体験した。
会長の狩野直禔さん(80)は
「端末を通じて相手の顔を見ながら会話できたのがよかった。
意思疎通が十分できたので、役立つサービスになると思う」
と話していた。
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