SOSの音、統一を消費者団体

時事ドットコムニュース  2018/07/15


SOSの音、統一を=防犯ブザーもバラバラ=

「迷わず行動できるよう」・消費者団体


 事件や事故、災害に巻き込まれた際に助けを求める「SOS」

の音を統一しようと、消費者団体が動き始めた。


 多くの学校で子どもに防犯ブザーを配布しているが

その音色や音量はバラバラだ。

                  さまざまなタイプの防犯ブザー。
                  スマートフォン向けアプリもある 

 関係者は「誰もが迷わず通報や救助ができるような音にしたい」

とJISへの登録を目指す。 


 文部科学省によると、全国の小学校の約8割で防犯ブザーを配布している。

子ども用携帯電話やスマートフォンのアプリにも同様の機能が搭載され

身近な防犯グッズとして定着してきた。


  全国防犯協会連合会は2006年に「優良防犯ブザー推奨制度」を開始。

「高音と低音を繰り返す音色」「音量は85デシベル以上」などの基準を示している。


 ただ、統一はされておらず、玩具やアラームの電子音と混同しやすいのが現状だ。


  公益社団法人「日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会」

(東京都渋谷区)の田近秀子さんは「周囲の人が何の音か分からず

救助や通報をためらってしまうのではないか」と危惧する。

              防犯ブザーを手にする公益社団法人
              「日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会」
              の田近秀子さん=6月25日、東京都渋谷区

 同協会のある会員も「小学生の娘が通学路で誤って作動させた時

誰も様子を見に来なかった」と話す。 


 協会は音の統一に向け活動を始め、関係団体への聞き取り調査では

「雑踏に紛れる音や高齢者が聞き取りにくい高音は避けるべきだ」

「助けを求める音声を入れた方がいい」といった意見が出た。


 聴覚障害者からは、光や振動でも知らせるなど障害の有無に関係なく

利用しやすいユニバーサルデザイン化が必要との声もあった。

今後、JIS登録に向け具体的な案を詰める。


 田近さんたちが理想とするのは、テレビやラジオで

流れる緊急地震速報のチャイム音。

東日本大震災を経験し、多くの人が揺れに身構え次の行動を考えるようになった。

「SOS音もそろえることで、誰も取り残さない社会づくりにつながるはず」と期待する。


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