【東京】「ユニバーサルデザイン(UD)」を考える

東京新聞(TOKYO Web) 2018年7月2日


ユニバーサルデザインを考える 

文京の印刷会社がセミナー


 障害者向けの印刷物などを手がける「欧文印刷」(文京区)が

障害の有無や性別などにかかわらず多くの人にとって使いやすい

「ユニバーサルデザイン(UD)」を考えるセミナーを企画

事業者などの幅広い参加を呼びかけている。


 同社は、聴覚障害者らとのコミュニケーションを円滑にする

「筆談ボード」の製作や点字印刷などを行う。


 二〇一三年には絵や地図を凹凸の膨らみで表現する際の新しい印刷技術を開発。

生産性を大きく向上させ、一時間で約一万枚の大量印刷を可能にした。


技術は駅構内図や、世界遺産の元離宮二条城(京都市)のガイドブックなどに使われている。

ガイドブックや駅の構内図を紹介する山崎純さん
(右)と上野智義さん(中)、坂本泉さん=文京区で


 この技術を開発した執行役員の山崎純さん(62)は

「絵や地図の画像を残したままその上に凹凸を付けられるので

視覚障害の有無に関係なく同じ資料を使える。


 UDで見える人も、見えない人がどんな資料を使うかを意識し

思いやる機会を生み出せる」と話す。


 セミナーは来年三月までに計三回開催の予定で初回の六日は

午後二時から千代田区外神田六の「アーツ千代田3331」が会場。


 技術紹介のほか、自身が視覚障害者でデザイン会社を運営する

安藤将大社長らの講演もあり、障害当事者の目線から企業におけるUDの重要性を考える。


 同印刷の執行役員・坂本泉さん(61)と上野智義さん(54)は

「東京パラリンピックもある。企業などができることを

セミナーを通じてつかんでもらえれば」と期待する。  

入場無料。

定員五十人。

問い合わせは、同印刷=電03(3817)5920=へ。

(中村真暁)    

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