毎日新聞2018年6月29日
見た目問題
「政策や助成の対象に」 当事者ら期待
生まれつき耳の形成が不十分な「小耳症」の症状がある伊藤有紀子さん(36)
は「エピテーゼ」と呼ばれる義耳の購入について
国の助成制度が導入されることを望んでいる。
小耳症は片耳で1万人に1人、両耳では10万人に1人のケースでみられるという。
原因は不明で、聴力低下を伴うことが多い。
両耳に症状がある伊藤さんは「小耳症は補聴器が必要で
マスクや眼鏡がかけられないという物理的な不都合もあるが
見た目を気にして髪で隠す人も多い」と話す。
伊藤さん自身も髪で覆ってきたが、2013年に母親の耳を模した義耳を使うようになった。
「エピテーゼ」(義耳)を手にする伊藤有紀子さん
都墨田区議会を訪れ、区議らの前で義耳を外してみせ、意見を述べた。
墨田区議会は29日、顔にアザや変形などの症状を抱える人の「見た目問題」について
区民への啓発などを求めるNPO法人の陳情を全会一致で採択し
国に施策を促す意見書を可決した。
伊藤さんは今回の陳情採択を受け、「国や自治体は『見た目問題』の
当事者について政策や助成の対象にしてほしい」と話した。
【伊藤一郎】
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