西日本新聞 2018年06月22日
電話予約が聴覚障害者に壁 西鉄オープントップバス
福岡市「合理的配慮を」
福岡市街地の観光地を巡る屋根のない2階建ての「オープントップバス」の
聴覚障害者の乗車予約方法を巡り、市がバスを運行する西日本鉄道に対し
改善を求めていることが分かった。
福岡市内の観光地を巡るオープントップバス=21日午後6時ごろ、福岡市役所
予約は電話か市役所の窓口に限られ、電話で声が聞き取れない聴覚障害者が
自ら予約するには窓口に出向く必要がある。
市は、近く施行予定の障害者差別解消の推進条例で、事業者の
努力義務とする「合理的配慮」に反する恐れがあるとみている。
市ろうあ協会によると、聴覚障害のある市内の50代男性が昨年
窓口を訪れて予約をしようとしたが、希望日は満席で断念。
「電話が使える人と対等に予約できるようにしてほしい」と訴えている。
市の要求に対し西鉄は「聴覚障害者の方の排除は意図していない。
お客さまの利便性向上のため、ネット予約の導入を前向きに検討していく」としている。
ネット予約はシステム整備費用が膨大なため
これまで導入を見送っていたという。
同バスは、市から提案を受けた西鉄が2012年に運行開始。
2台の購入費約2億1千万円のうち市が7割を補助し、西鉄が運行費を負担している。
観光客や市民らが1日平均約170人利用している。
=2018/06/22付 西日本新聞朝刊=
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