産経ニュース 2018.6.9
「ぐんま国際アカデミー」高等部教諭の
小田さん監督作品が米映画祭で最高賞
■太宰治の小説に触発…6年かけ「映画愛」結実
自主制作映画対象のインディペンデント映画祭で世界で最も歴史があり
今年で51回目を迎えた「ヒューストン国際映画祭」(4月20日~29日、米テキサス州)で
ぐんま国際アカデミー(太田市)高等部社会科教諭の小田浩之さん(45)が監督した作品が
短編映画(ファミリー映画部門)最高賞のプラチナ賞に輝いた。
受賞作は「Schoolgirl(スクールガール)」。
聴覚障害を抱える少女と、思いを寄せる先輩との交流を描き
自身のハンディキャップを隠しながら文通で思いを伝えていくというストーリー。
小田さんが自ら脚本、撮影も手掛けた。
映画の中のワンシーン(小田浩之さん提供)
触発された太宰作品は、14歳の少女の一日を
独白体で綴(つづ)った昭和14年の短編「女生徒」。
太宰の代表作の一つとされる。
映画づくりに乗り出したのは、前職の
フランス中部トゥールの日本人学校教諭時代の平成22年。
「高校の卒業制作で映画を作りたい」と生徒から提案され
太宰の「女生徒」を念頭に
「こんな主人公で映画を」と構想を練った。
生徒たちが演技し、それ以外は「自主制作なので何でも自分でやった」。
生徒が映画づくりを提案したのは、小田さんの趣味を超えた
「映画愛」を雑談などを通じて知っていたからだ。
小田さんは12年に大学を卒業後、米国の日本人学校で
教えていた際に居住していたのは北ハリウッド。
「シェアハウスの住人は自分以外は映画関係者だった。
レストランのウエートレスも全員、女優志望」(小田さん)
という環境で脚本家らと知り合ううちに創作への興味は深まった。
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