2018年05月17日 河北新報
難聴者、気兼ねなく窓口利用を
スピーカー設備導入でより抵抗感なく応対サポート
高齢化社会に対応した環境を整えようと、宮城県岩沼市農協は本年度新たに、耳が不自由な人にクリアな音声を伝えるスピーカーシステム4台を、窓口などに配備した。難聴者に筆談や補聴器の着用を強いることなく、農協側が配慮する仕組みに改めたという。
導入した設備は、東京の音響機器メーカー「ユニバーサル・サウンドデザイン」が開発した「COMUOON(コミューン)」。
マイクを通して話すとスピーカーから声がより明瞭に聞こえる。指向性が高く、スピーカーの前以外はマイクを通した音声がほとんど聞こえず、プライバシーを保てる。
コミューンを使って会話する岩沼市農協の職員
同農協本店と本店北の購買店舗、西支店、高齢者向けの送迎サービス車「らくちんGO!」内の4カ所に設置する。老人性難聴とみられる顧客や聴覚障害者が来店した場合、コミューンのある場所に誘導する。導入経費は計約100万円。
難聴者は大声で話されると怒られたように感じることがあるという。同農協はこれまで筆談などで応対してきたが、抵抗感を感じる顧客がいた。
筆談前に同じ話を繰り返しただけで、応対を諦める来店客もいた。補聴器は装着に羞恥心を感じる場合があり、職員が気を配るよう発想を転換した。
同農協の日野光男常務理事は「声が聞き取りにくい方も、気兼ねなく利用できるようにした。安心して来店してほしい」と話す。
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