タイの聾学校から帰任した

タイの聾学校から帰任したあわじ特別支援学校教諭の佐野さんが市長表敬

青年海外協力隊としてタイの聾(ろう)学校に赴任していた

県立あわじ特別支援学校教諭の佐野かおりさん(27)

=淡路市佐野=が24日、淡路市役所に門康彦市長を表敬訪問した。

青年海外協力隊でタイに赴任していた佐野かおりさん(右)
と門康彦市長=24日、淡路市役所

学生時代にボランティアで約30カ国を訪れたという佐野さん。

タンザニアで教師が子供をムチでたたく場面に衝撃を受け

途上国の教育を少しでも改善したいと

平成28年6月から今年3月まで国際協力機構(JICA)

青年海外協力隊としてバンコク近郊のナコーンパトム聾学校に赴任した。


タイでは障害児教育が普及しておらず、教員が村々を回って

聾学校の存在を知らせて生徒を受け入れているという。

授業は手話のみで読み書きや発話、読話など多様なコミュニケーション能力が不足し、

補聴器をつけているのは約200人の生徒のうち3人だけだったという。


教員に手話以外の指導方法や教材を伝え、補聴器は電池が切れると

壊れたと思って使わない子供が多いため、業者に修理を委託して

学校で電池が購入できるようにした。

また近隣の僧侶が寄付を募ってくれて補聴器を購入。

この結果、補聴器をつける子供は84人に増え、コミュニケーション能力もアップした。

補聴器をつけた子供がガラスをたたいて「ガラスの音がする」

「雨にも音がある」と話していたという。


手話はタイと日本では違うため、学校の寮に住んで毎日子供たちと

接するなかでタイ語とタイの手話を学び、日常会話もできるようになった。

日本では補聴器を使ったり家族も手話を学んだりすることを紹介すると

「私も日本に生まれていれば、お母さんと話せたんですか」と

尋ねられたのが印象深いと振り返る。

佐野さんは「どこの国に生まれた子にも選択肢が与えられるようになればと思う。

今後もタイとの交流を続けたい」と話していた。

2018.5.25  産経新聞


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