毎日新聞 2019年1月22日
群馬大学(前橋市)と宇都宮大学(宇都宮市)は21日、
2020年度から全国初の「共同教育学部」を設置することを
ホームページ上で公表した。
少子化の影響で教員採用数が減るのに伴い教育学部の縮小が求められる中、
教員養成機関としての役割を維持・強化するのが狙い。
群馬大は「連携することで引き続き幅広い専門性を満たし、地域への責任を果たせる。
学生の視野も広がるのではないか」と話している。
【鈴木敦子】
群馬大では荒牧キャンパスと桐生キャンパスでサテライト講義を導入している。宇都宮大との共同学部でもこうした授業が実施される
=前橋市荒牧町4の群馬大学で2019年1月21日、鈴木敦子撮影
現在、群馬大では、小学校▽中学校10教科▽高校12教科――
の教員免許を取得できる。
20年度以降も基本的に同様の体制を続ける見通し。
共同学部の設置により、特別支援教育分野で、
知的障害▽肢体不自由▽病弱▽視覚障害▽聴覚障害――
の5領域すべての免許を取得できるようになる。
これまで群馬大では視覚障害、宇都宮大では聴覚障害の免許が取得できなかった。
群馬大によると、5領域すべてに対応している大学は珍しいという。
入試は従来通り各大学で実施するが、卒業には31単位以上を連携先の
大学で取得しなければならない。
両大学は「学生が大学間を移動するのは現実的に不可能」として、
インターネット技術を使った遠隔授業や合同合宿などを予定している。
ただし、学生による模擬授業や実技を披露する授業には不向きとみられ、
教員免許取得のためには、卒業に必要な単位(124単位)を大幅に上回る可能性が高い。
共同学部設置後は両大学とも徐々に学生定員を減らす予定で、
群馬大では220人から160~170人程度になるという。
文部科学省の有識者会議は17年8月、国立の教育大や教育学部に対し、
21年度までに他大学との連携や統合について検討するよう求めた。
これを受け、群馬大と宇都宮大は17年9月に設置の検討を始めていた。
0コメント